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愛犬や愛猫と安心して暮らすためには、ノミやマダニへの対策がとても大切です。
これらの寄生虫は、主に春から秋にかけて活発になりますが、実は冬の時期でも油断はできません。というのも、暖房の効いた室内では一年を通して繁殖してしまうことがあるからです。
さらに、ノミやマダニは単なる寄生虫ではなく、放置すると深刻な病気を引き起こすことがあります。例えば、ノミが原因で発症するノミアレルギー性皮膚炎や、マダニが媒介するバベシア症などがあります。これらの病気を防ぐためには、日頃からのノミ・マダニ対策が重要です。
今回は、ノミとマダニの違いや生態、感染リスク、そして具体的にどのような予防法があるのかを解説します。
■目次
1.ノミとマダニってどう違うの?それぞれの特徴を知っておこう
2.ノミやマダニはどうやって成長するの?発生から成虫になるまでの流れ
3.ノミ・マダニが原因で起こる病気と体への影響
4.ノミ・マダニ対策はいつ始める?効果的な予防のタイミングと方法
5.万が一ノミやマダニを見つけたら?正しい対処法を知っておこう
6.予防と健康管理のために
7.まとめ
犬や猫の体に寄生するノミとマダニ。どちらも見た目は小さく、最初は気づきにくいかもしれませんが、それぞれに異なる特徴や行動パターンがあります。ここでは、ノミとマダニの違いについてご紹介します。
<ノミの特徴>
ノミは体長1〜3mmほどの小さな昆虫で、体が平たく、すばやくピョンピョンと跳ね回るのが特徴です。犬や猫の皮膚に寄生し、血を吸って生活しています。
特に注意したいのは、その繁殖力です。成虫1匹が1日におよそ50個もの卵を産むこともあり、あっという間に数が増えてしまいます。さらに、ノミは室内のカーペットやソファの隙間などでも卵を産み、成長することができるため、一度発生すると完全に駆除するのが難しくなることもあります。さらに、室温が13℃以上あれば発育が可能なため、季節を問わず注意が必要です。
<マダニの特徴>
マダニは昆虫ではなく、クモの仲間に分類される寄生虫です。体長は3〜5mmほどで、8本の足を持っています。ノミのように跳ねることはなく、草むらや低い木の枝などにじっと潜んでおり、犬や猫が通りかかると体に取りつきます。
吸血を始めると、マダニの体はどんどん膨らみ、数日間にわたって皮膚にしっかりと張りついたまま血を吸い続けるという特徴があります。そのため、発見が遅れると皮膚に炎症が起きたり、感染症のリスクが高まったりすることもあります。
ノミやマダニをしっかり防ぐためには、それぞれがどのように成長していくのかを知っておくことが大切です。成長の仕方を知ることで、どのタイミングで対策が必要なのかも見えてきます。
<ノミの成長の流れ>
ノミは「卵 → 幼虫 → さなぎ → 成虫」という4つの段階を経て成長します。
卵や幼虫のときは犬や猫の体ではなく、カーペットやソファ、床の隙間など、家の中のあちこちに潜んでいます。そして成虫になると、犬や猫に寄生して血を吸うようになります。
このため、目に見える成虫だけを駆除しても、卵や幼虫が家の中に残っているとすぐに再発してしまいます。ノミ対策は、環境全体に目を向けることがポイントです。
<マダニの成長の流れ>
マダニは「卵 → 幼ダニ → 若ダニ → 成ダニ」と、3回の脱皮を繰り返しながら成長していきます。
すべての段階で吸血を行うのが特徴で、動物の体に取りつくと数日間にわたって皮膚にしがみつき、血を吸い続けます。
この吸血の長さが、マダニによる病気のリスクを高めてしまう原因のひとつです。だからこそ、見つけたらすぐに取り除くことが大切ですし、普段からの予防も欠かせません。
ノミやマダニは、ただ血を吸うだけの虫ではありません。放っておくと、犬や猫の体にさまざまな病気を引き起こしてしまうことがあります。中には、私たち人にも影響を与えるものもあるため、注意が必要です。
<ノミが原因となる病気>
◆ノミアレルギー性皮膚炎
ノミの唾液に対してアレルギー反応を起こすことで、強いかゆみや赤み、脱毛などの症状が現れます。かゆみが続くと、犬や猫が体をかきむしってしまい、皮膚が傷ついて炎症を起こすこともあります。
◆猫ひっかき病(バルトネラ症)
この病気は、ノミが媒介するバルトネラ菌という細菌によって起こります。犬や猫が感染してもあまり症状が出ないことが多いですが、猫にひっかかれたり噛まれたりすることで、人にも感染することがあります。
<マダニが媒介する病気>
◆バベシア症
犬に多く見られる病気で、マダニが媒介するバベシア原虫が赤血球に感染し、破壊してしまいます。その結果、元気がなくなる、発熱、食欲不振、ひどい場合は重度の貧血や黄疸などの症状が出ることもあります。
◆ライム病
こちらは犬にも人にも感染する、人獣共通感染症です。マダニを介して感染し、発熱、関節の腫れや痛み、元気消失などの症状が現れます。
治療が遅れると重症化し、最悪の場合、命に関わることもあります。実際に、EXILEのATSUSHIさんやジャスティン・ビーバーさん、アヴリル・ラヴィーンさんなども、ライム病を患い闘病していることを公表しています。それほど深刻な病気であるため、早期発見と適切な治療がとても大切です。
◆SFTS
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、ウイルスによって引き起こされる人獣共通感染症です。発熱や下痢、血小板の減少など、さまざまな症状を引き起こします。
ここ数年、九州や関西地方では被害が増加しています。猫が感染して発症すると約60%が死亡するとされ、犬では約50%、人でも10〜30%といわれています。
ノミやマダニから愛犬や愛猫を守るためには、予防のタイミングと適切な方法を知っておくことがとても大切です。季節によってリスクが高まる時期もありますが、実は年間を通じて気をつけたいポイントもあります。
<年間を通じた予防の大切さ>
ノミやマダニは、春から秋にかけて特に活発になります。気温や湿度が高いこの時期は、草むらや公園などで寄生しやすくなるため、しっかりとした対策が欠かせません。
ただし、冬だからといって油断はできません。暖房の効いた室内では、ノミが一年中生き延びてしまうこともあります。実際に、冬でもノミを見つけたという声も少なくありません。
そのため、一年を通して継続的に予防を行うことが、愛犬や愛猫の健康を守るうえでとても効果的です。
<予防薬のタイプと特徴>
予防薬にはいくつかのタイプがあり、それぞれに特徴があります。生活スタイルや性格に合わせて、使いやすいものを選びましょう。
◆スポットタイプ
皮膚に直接垂らして使うタイプで、首の後ろなど犬や猫が舐めにくい場所に使用します。数週間にわたって効果が持続します。
◆経口タイプ
おやつのように食べさせるタイプです。食べることに抵抗がなければ、確実な予防効果が期待できます。
◆首輪タイプ
予防成分が含まれた首輪を身につけることで、長期間にわたり効果が続くタイプです。ただし、首輪を嫌がる犬や猫もいるため、装着時の様子をよく見てあげることが大切です。
いくら気をつけていても、ノミやマダニがついてしまうことはあります。そんなときに慌てず、落ち着いて対応するために、正しい対処法を知っておきましょう。
<ノミを見つけた場合>
愛犬や愛猫の体にノミを見つけたら、驚いてしまうかもしれませんが、焦って手で潰してしまうのはNGです。
ノミの体内には細菌や寄生虫が潜んでいることがあり、潰すことでそれらが周囲に広がってしまう可能性があります。
まずは、動物用の専用駆除薬(スポットタイプや経口タイプなど)を使って、安全に駆除することが大切です。さらに、カーペットやソファ、ベッドなど、ノミの卵や幼虫が潜んでいる可能性のある場所も丁寧に掃除し、環境全体の対策も忘れずに行いましょう。
<マダニを見つけた場合>
マダニが皮膚に噛みついているのを見つけた場合、無理に引き抜こうとするのは危険です。
マダニは口の部分を皮膚に深く差し込んで吸血するため、無理に引き剥がすと口器の一部が皮膚に残り、炎症や感染の原因になることがあります。
そのため、マダニを見つけたときは決して自分で取らずに、できるだけ早く動物病院を受診してください。
ノミやマダニの対策は、一度だけの対応ではなく、日々の積み重ねがとても大切です。
愛犬や愛猫の健康を守るために、獣医師と連携しながら行う予防や、日常生活の中でできるちょっとした工夫をご紹介します。
<定期的な健康診断の大切さ>
ノミやマダニによる病気は、初期には症状がわかりにくいこともあります。
そのため、年に1〜2回の健康診断を受けておくと、万が一の早期発見や予防につながります。
また、犬や猫の体質や暮らしている環境によって、合う予防法やお薬は異なります。獣医師に相談しながら、それぞれに合った予防の方法を選んでいくことが安心につながります。
<生活環境の見直しも忘れずに>
おうちの中にも、ノミやマダニが潜む可能性があります。
特に、寝床やカーペット、クッション類は定期的に掃除をして、清潔な環境を保つことが大切です。
また、お散歩や外出から帰ってきたあとは、ブラッシングをして被毛のチェックをしましょう。体にノミやマダニがついていないかを確認することで、早めに気づくことができます。
ノミやマダニは、犬や猫の体に寄生するだけでなく、放置すると皮膚トラブルや感染症など、健康に大きな影響を及ぼすことがあります。さらに、一部の病気は人にも感染する可能性があるため、注意が必要です。
こうしたトラブルを防ぐためには、日頃からの予防と環境づくりがとても大切です。愛犬・愛猫の体調や生活スタイルに合った対策を続けていきましょう。
「最近かゆがっている」「予防薬の選び方がわからない」といったお悩みがある場合は、どうぞお気軽に当院へご相談ください。
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