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愛犬・愛猫の目、普段からしっかり観察できていますか?
実は、目の病気は単独で起こるだけでなく、全身の病気がきっかけとなって現れることもあります。だからこそ、日ごろから目の状態をチェックする習慣がとても大切です。
目の異変は放っておくと悪化し、視力を失ってしまう可能性もありますが、早期発見・早期治療ができれば、視力を守れるチャンスも大きくなります。
今回は、愛犬・愛猫の目の健康を守るために知っておきたい、チェックポイントや注意すべきサインについて解説します。
■目次
1.健康な犬と猫の目の特徴とは?
2.犬と猫の目に見られる異常のサイン
3.結膜炎の初期症状と対処法
4.角膜の病気の初期症状と対処法
5.白内障と緑内障の初期症状と対処法
6.日常的にできる目の健康チェックと予防法
7.まとめ
犬や猫の目の状態は、健康のバロメーターのひとつです。ここでは、健康な目の基本的な特徴についてご紹介します。
◆目の色
目の色は、瞳孔の大きさを調整する「虹彩(こうさい)」の色によって決まります。
黒や茶色、青色など個体によってさまざまですが、健康な目の内部は透明感があり、澄んで見えるのが特徴です。
◆瞳孔の大きさ
瞳孔は、暗い場所や興奮しているときには大きく、明るい場所やリラックスしているときには小さくなります。
左右の瞳孔の大きさは同じであることが正常な状態です。
◆瞳孔の形
犬と猫では、瞳孔の形にも違いがあります。犬の瞳孔は人と同じ「丸い形」ですが、猫は「縦に細長い形」をしています。
この細長い瞳孔は、光の量を素早く調整できる仕組みになっており、暗いところでも見えやすいという特徴につながっています。
◆目ヤニの量
目ヤニは、目に入ったゴミやほこりなどを外に出すための自然な反応です。
白っぽい目ヤニや、黒く乾いた目ヤニが1日に1〜2回出る程度であれば、特に問題はありません。
ただし、量が急に増えたり、色が黄緑や赤っぽくなったりする場合は注意が必要です。
<普段の様子を知っておくことが大切です>
犬や猫の目は、品種や個体差によって見た目や状態が少しずつ異なります。
そのため、まずはご自宅で普段の目の状態をしっかりと把握しておくことが、異変に気づく第一歩になります。
見た目のちょっとした変化が、大きな病気の始まりであることも少なくありません。
次のような様子が見られたら、目の異常が疑われるため、早めに動物病院を受診しましょう。
◆白目が赤くなる(充血)
白目の部分が赤くなり、同時に涙の量が増えることもあります。
片方の目を開けづらそうにしている、食欲や元気が急になくなったといった変化があれば、特に注意が必要です。
考えられる病気: 結膜炎、角膜潰瘍、緑内障 など
◆黒目が白く濁る
黒目の部分が白っぽく見えることがあります。
急に濁る、または視力が落ちている様子が見られる場合は、すぐに受診をおすすめします。
考えられる病気: 白内障、核硬化症 など
◆涙や目やにがいつもより多い
涙や目やにの量が増えていたり、黄色や緑色の目ヤニが出たりしている場合は、目に炎症や感染が起きている可能性があります。
痛みを感じていることもあるため、早めの対応が大切です。
考えられる病気: 角膜炎、結膜炎 など
◆左右の目の大きさが違う
一方の目だけが不自然に大きく見える、あるいは小さくなっている場合は、目の内部やまぶたの奥に異常がある可能性があります。
重篤な病気が隠れているケースもあるため、放置せず、できるだけ早く獣医師にご相談ください。
考えられる病気: 緑内障、目の腫瘍 など
結膜炎とは、まぶたの裏側から白目の部分にかけての粘膜(結膜)に炎症が起きている状態を指します。
犬や猫によく見られる目のトラブルの一つで、比較的身近な病気ですが、放置すると悪化することもあります。
<初期症状>
白目が充血して赤く見える、涙や目やにの量が増える
<主な原因と治療法>
結膜炎は以下のように、さまざまな原因によって引き起こされます。
・細菌やウイルスによる感染
・まつ毛や異物の刺激、ひっかきなどの外傷
・花粉やハウスダストなどのアレルギー
治療は、原因に応じて点眼薬や内服薬の使用が一般的です。
また、結膜炎を何度も繰り返す場合には、目だけでなく全身の病気が関係していることもあるため、原因を正しく見極めることがとても大切です。
<ご家庭でのケアのポイント>
軽度の症状であっても、以下のようなケアを行うことで悪化を防ぐ手助けになります。
・犬や猫が目をこすらないように注意する
→必要に応じてエリザベスカラーの使用を検討
・目のまわりの毛を短く整え、清潔を保つ
→目に毛が入るのを防ぎ、刺激を軽減できます
・目やにや涙は清潔なガーゼやコットンでやさしく拭き取る
→こすらず、やさしく拭き取るのがポイントです
※市販の目薬を自己判断で使うのは避け、必ず獣医師の診察を受けましょう。
角膜とは、目の表面を覆っている透明な膜で、外の光を取り入れたり、目を守ったりする重要な役割を担っています。
この角膜に炎症が起きた状態を「角膜炎」、傷がついてしまった状態を「角膜潰瘍」と呼び、犬や猫では比較的よく見られる目の病気です。
<初期症状>
片方の目を閉じたままにしている(痛みのサイン)、涙が増える、白目の充血
<注意が必要な犬種・猫種>
短頭種の犬(パグ、シー・ズー、ペキニーズなど)や突出した目を持つ猫(ペルシャなど)は、まばたきが不完全だったり、目が乾きやすかったりするため、目の表面が傷つきやすい傾向があります。
悪化を防ぐためにも、定期的に獣医師による目のチェックを受けることをおすすめします。
犬や猫の目の病気の中でも、「白内障」と「緑内障」は比較的多く見られ、放置すると視力に大きな影響を及ぼす可能性があります。
<白内障とは>
白内障は、目の中の水晶体(レンズ部分)が白く濁ってしまう病気です。
年齢とともに進行することが多く、特に高齢の犬や猫でよく見られます。
◆初期症状
黒目の部分が白く濁って見える、暗い場所で物にぶつかるなど、見えづらそうな様子
◆注意が必要な点
白内障はゆっくり進行するため、初期の段階では気づきにくいこともあります。
高齢になってきたら、半年に1回程度の眼科チェックを受けると安心です。
<緑内障とは>
緑内障は、眼の中の圧力(眼圧)が高くなり、視神経や網膜が圧迫されてしまう病気です。
急速に進行することがあり、放置すると失明に至る危険性があるため、特に注意が必要です。
◆初期症状
白目の充血、目を気にする様子や痛み
◆注意が必要な犬種
柴犬、トイ・プードル、シー・ズー、アメリカン・コッカー・スパニエルは緑内障のリスクが高いとされているため、普段から目の様子をよく観察し、眼圧などの定期検査を受けることをおすすめします。
犬や猫の目はとても繊細で、ちょっとした異変が大きな病気のサインであることもあります。そのため、日常の中で「よく目を見ること」が何よりも大切です。
ここでは、ご自宅で簡単にできるチェックポイントと予防ケアの方法をご紹介します。
◆左右の目を見比べてみましょう
目に違和感があるかも?と思ったときは、まず左右の目を比べてみましょう。
白目が片方だけ赤い、片目だけ涙が多い、瞳の大きさが違う、など目の病気の兆候に気が付きやすくなります。
◆目を気にする様子がないか観察
前足で目をこする、床に顔をこすりつける、片目だけしょぼしょぼと閉じるような場合には、目に不快感や痛みがあるサインかもしれません。
◆涙や目やにの量・色を確認
普段から目のまわりを清潔に保つことは、目のトラブルの予防につながります。
特に目ヤニは、色や量の変化に注意しましょう。
・白~黒っぽい目ヤニ:少量であれば通常の生理現象
・黄色や緑色の目ヤニ:細菌感染の可能性あり
◆目元のお手入れ方法
目のまわりが汚れていると、刺激や感染の原因になることもあります。
お手入れの際は、次のような手順でやさしくケアしてあげましょう。
・濡らしたコットンや市販のペット用ふき取りシートを使用
・目ヤニの周囲をやさしく拭き取る(こすらない)
・顔をなでながら安心させ、ゆっくり行う
嫌がる場合は無理せず、少しずつ慣らしていくことがポイントです。
毎日少しだけ目を観察することで、病気の早期発見・早期治療につながります。
目のケアは愛犬・愛猫との大切なスキンシップの時間にもなりますので、ぜひ日常の習慣にしていきましょう。
目の病気は、気づかずに進行してしまうと視力を失うリスクもあるため、早めの対処がとても大切です。
目は、飼い主様が普段から見てあげやすい場所でもあります。だからこそ、「なんとなくいつもと違うかも…」と感じたときに、いち早く気づいてあげることができます。
当院では、目のちょっとした異変や日常のケアについてのご相談も承っています。
少しでも気になる様子がありましたら、どうぞ遠慮なくご相談ください。
愛犬・愛猫の目の健康を守るために、毎日の小さな観察とケアを大切にしていきましょう。
犬と猫の眼のことなら新潟県新潟市の動物病院 くまちゃん動物病院
氏名又は名称 | 有限会社くまちゃん動物病院 代表取締役 熊倉 伸太郎 |
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事業所の所在地 | 新潟県新潟市江南区 亀田四ツ興野4丁目5-5 |
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登録年月日 | 平成22年5月13日 |
有効期間の末日 | 令和12年5月12日 |
動物取扱責任者 | 熊倉伸太郎 |
氏名又は名称 | 有限会社くまちゃん動物病院 代表取締役 熊倉 伸太郎 |
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事業所の名称 | くまちゃん動物病院 イオン分院 |
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第一種動物取扱業の種別 | 保管 |
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