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愛犬・愛猫のワクチン接種、きちんと行っていますか?
「毎年打っているけれど、実はどんな病気を防ぐのかはよく知らない」という飼い主様は意外と多いかもしれません。
犬や猫の混合ワクチンには、命に関わるような重篤な感染症を防ぐ重要な役割があります。
さらに、犬に関しては、狂犬病予防ワクチンの接種が法律で義務付けられており、毎年の接種が必要です。
そこで今回は、犬と猫のワクチン接種について、なぜ必要なのか、どんな病気を防ぐのかなど、知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。
■目次
1.狂犬病ワクチンとは?
2.犬の混合ワクチンで防げる病気とは?
3.猫の混合ワクチンで予防できる病気とは?
4.適切なワクチン接種スケジュールと頻度
5.ワクチン接種前の確認と、接種後のケアについて
6.ワクチン接種に関するよくある疑問と誤解
7.まとめ
狂犬病はウイルスによって引き起こされる恐ろしい感染症で、人を含むすべての哺乳類に感染する可能性があります。
現在のところ、発症後に有効な治療法はなく、発症すればほぼ100%の確率で死に至るといわれています。
日本では1950年に「狂犬病予防法」が施行され、それ以降、犬の登録と年1回のワクチン接種が飼い主様の義務とされています。
その結果、1957年を最後に国内での発生は確認されていませんが、世界的には今もなお多くの国で感染が報告されています。
そのため、健康上の特別な理由がない限り、愛犬には毎年必ず狂犬病予防ワクチンを接種させることが大切です。
愛犬の健康と私たち人間を守るためにも、正しい知識をもって予防に取り組みましょう。
犬の混合ワクチンに含まれる病気には次のようなものがあります。
◆犬ジステンパー
発熱、鼻水、下痢などの症状が見られます。
重症化するとけいれんや神経症状を引き起こし、命に関わることもある恐ろしい病気です。
感染経路: 感染した犬の鼻水や唾液、尿など
◆犬伝染性肝炎(アデノウイルス1型)
発熱や嘔吐、下痢、腹痛などを引き起こし、特に1歳未満の犬では致死率が高いとされています。
感染経路: 感染した犬の尿や便、唾液など
◆犬アデノウイルス2型感染症
咳や発熱、鼻水など、いわゆる「風邪」のような症状を引き起こします。
感染経路: 感染した犬のくしゃみや咳による飛沫
◆犬パルボウイルス感染症
突然の激しい嘔吐や下痢、発熱が見られ、特に子犬では致死率が高い危険な感染症です。
感染経路:感染した犬の便、人の手や食器などからも感染する
◆犬パラインフルエンザウイルス感染症
発熱や咳など、呼吸器に症状が現れる感染症です。他のウイルスと併発すると重症化することもあります。
感染経路: 飛沫感染
◆犬コロナウイルス感染症
主に消化器に症状が現れ、嘔吐や下痢を引き起こします。特に子犬では重症化しやすいとされています。
感染経路: 感染した犬との接触や、ウイルスが付着したものからの経口感染
◆レプトスピラ症(人獣共通感染症)
発熱、嘔吐、黄疸、出血などの症状が現れ、重症化すると腎不全や肝不全を引き起こすこともあります。
また、人にも感染する病気のため、飼い主様ご自身の健康を守るうえでも重要です。
感染経路: ネズミなどの尿に汚染された水たまりや土壌など
猫の混合ワクチンも、さまざまな感染症から愛猫を守る大切な予防手段です。
室内飼いか外出の有無、多頭飼いかどうかなど、生活環境によって接種すべきワクチンの種類が変わる場合がありますので、獣医師とよく相談のうえで決めていきましょう。
◆猫汎白血球減少症
発熱、下痢、嘔吐、脱水などの症状を引き起こすウイルス性の疾患で、特に子猫では命に関わることもあります。
感染経路: 感染した猫の糞尿、嘔吐物、ウイルスが付着した物品など
◆猫ウイルス性鼻気管炎
くしゃみ、鼻水、発熱、結膜炎など、いわゆる「猫風邪」の原因となる病気です。慢性化すると再発を繰り返すこともあります。
感染経路: 飛沫感染や接触感染
◆猫カリシウイルス感染症
風邪のような症状に加え、口内炎や舌の潰瘍などが特徴的な病気です。重症化すると肺炎を引き起こすこともあります。
感染経路: 飛沫感染や接触感染
◆猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
長期間にわたって体内にウイルスが残り、徐々に免疫力が低下します。進行すると貧血やリンパ腫、白血病などを引き起こします。一度感染すると完治することが出来ない感染症です。
感染経路: 感染猫との食器の共有、毛づくろい、けんかによる咬傷など
◆猫クラミジア感染症
目の結膜に炎症が起こり、充血や目やに、涙などの症状が見られます。
感染経路: 感染猫との接触
◆猫免疫不全ウイルス感染症(FIV、猫エイズ)
感染後は長い潜伏期間を経て、免疫力が徐々に低下します。発症すると発熱、口内炎、下痢などの症状が見られ、やがてさまざまな感染症にかかりやすくなり、命に関わることもあります。一度感染すると一生ウイルスを持ち続け、完治しない感染症です。
感染経路: 主にけんかによる咬傷
生まれたばかりの子犬や子猫は、生後すぐに母親の初乳から病気に対する抗体(移行抗体)を受け取ります。この抗体によってしばらくは感染症から守られていますが、時間の経過とともにその効果は薄れていきます。
そのため、生後6~8週頃を目安に、最初のワクチン接種(初回接種)を行います。
ただし、1回の接種では十分な免疫がつかないため、3~4週間おきに追加接種を2回行い、免疫力をしっかりと高めていきます。
その後は、ワクチンの種類や予防できる病気の内容によって、1年に1回、または数年に1回の追加接種が推奨されます。
ただし、ワクチンの接種スケジュールや頻度は、愛犬・愛猫の年齢や健康状態、生活環境(室内飼いか外に出るか、多頭飼いか など)、そして接種するワクチンの種類によって異なりますので、獣医師と相談をしながらワクチンのスケジュールを決めていきましょう。
ワクチンは健康な犬や猫の体に接種することで、その後の感染症を防ぐ大切な手段ですが、まれに副反応(副作用)が出ることがあります。
そのため、接種前・接種後にはいくつか注意しておきたいポイントがあります。
<接種前のチェックポイント>
ワクチンを受ける前に、以下のような点を確認しましょう。
・食欲があるか
・元気にしているか
・下痢や嘔吐など、体調の異変がないか
少しでも「いつもと違う」と感じる場合は、無理に接種せず、事前に動物病院へ相談しましょう。
<接種後の注意点とケア>
ワクチン接種後は、副反応を防ぐためにも、以下のような行動は避けるようにしましょう。
・激しい運動や長時間の散歩
・入浴
・初めて与えるフードやおやつ
また、接種後は以下のような体調の変化がないか、しばらく様子を見てあげてください。
・食欲がない、元気がない
・下痢や嘔吐がある
・顔が腫れている、体をかゆがる
・呼吸が早い、苦しそうにしている
・ぐったりして動かない
特に接種後30分以内に呼吸が荒くなる、ぐったりする、顔が急に腫れるなどの症状が見られた場合は、重度のアレルギー反応(アナフィラキシー)の可能性があります。
命に関わるケースもあるため、すぐに動物病院を受診してください。
その他の症状についても、安静にさせつつ、気になる様子があれば迷わず病院へ連絡するようにしましょう。
ワクチンに関しては、「本当に必要?」「うちの子に合うの?」といった不安や疑問を抱く飼い主様も少なくありません。ここでは、よくあるご質問とその答えをご紹介します。
Q.室内飼いだから、ワクチンは必要ないのでは?
A.完全な室内飼いであっても、ワクチン接種は推奨されています。
トリミングやペットホテルの利用、通院時など、人の出入りや外部との接触を通じて感染症に触れる可能性があります。
また、万が一の脱走時にも、免疫があればリスクを軽減できます。大切な家族を守るためにも、混合ワクチンの接種を検討しましょう。
Q.高齢になったら、ワクチンはもう打たなくても大丈夫?
A.高齢の犬や猫にとっても、感染症は重症化のリスクが高くなります。
たしかに、加齢によって体調への配慮が必要になるため、ワクチン接種を迷うこともあるかと思いますが、体調をしっかり確認したうえで接種することで、安全に予防が可能です。
不安な点がある場合は、かかりつけの獣医師に相談して判断しましょう。
Q.体が小さい犬や猫の場合、ワクチンの副作用が心配です。
A.小型犬や子猫など体の小さい子でも、基本的には安全に接種できるようにワクチンは設計されています。
副作用が起こる頻度はそれほど高くありませんが、ご心配な場合は、接種後30分ほどは動物病院の近くで様子を見てから帰ると、より安心です。
また、接種前に体調を確認し、獣医師に不安な点を相談しておくとよいでしょう。
さまざまな感染症やワクチンの種類を知ると、少し難しく感じるかもしれませんが、愛犬・愛猫、そして飼い主様ご自身の健康を守るために大切なものです。
大切なのは、愛犬や愛猫にとって本当に必要なワクチンを、無理のない形で受けさせてあげることです。
そのためにも、不安なことやわからないことがあれば、当院へご相談ください。
犬と猫の眼のことなら新潟県新潟市の動物病院 くまちゃん動物病院
氏名又は名称 | 有限会社くまちゃん動物病院 代表取締役 熊倉 伸太郎 |
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動物取扱責任者 | 熊倉伸太郎 |
氏名又は名称 | 有限会社くまちゃん動物病院 代表取締役 熊倉 伸太郎 |
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