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犬と猫の熱中症のリスクと対策について|愛犬・愛猫の命を救う対策法2024.08.16

暑い季節になると、愛犬や愛猫の健康管理には一段と気をつける必要があります。私たち人間と違い犬や猫は汗をかいて体温を調節することができないため、熱中症になるリスクが非常に高いのです。

 

今回は、愛犬や愛猫を熱中症から守るための具体的な対策や注意点を詳しく解説します。

 

■目次
1.犬と猫における熱中症危険性
2.犬と猫の熱中症の特徴とリスク
3.熱中症の初期症状と進行度
4.熱中症を引き起こす環境要因と予防対策
5.緊急時の対応
6.熱中症後のケアについて
7.まとめ

 

【犬と猫における熱中症危険性】

犬や猫の体温調節の仕組みは、私たち人間とは大きく異なります。人間は汗をかいて体温を下げますが、犬や猫はほとんど汗をかきません犬は舌を出してハアハアと息をすることで体温を調節し、猫は涼しい場所で休んだり、体を舐めたりすることで体温を下げようとします。

 

熱中症の主な原因は、体温が異常に上がることです。特に高温多湿な環境では、体温を効果的に下げることが難しくなり、急激に体温が上昇します。また、直射日光を避ける場所がなかったり、閉め切った車内に長時間放置されたりすると、体温調節がうまくいかないため、熱中症のリスクが一気に高まります。

 

さらに、運動量の多い犬や、少し肥満気味の犬や猫は、特に注意が必要です。

 

熱中症は、放置すると命に関わる深刻な状態になる可能性があります。だからこそ、飼い主様は日々の生活の中で愛犬や愛猫の体調に細心の注意を払い、予防と早期発見に努めることが大切です。

 

【犬と猫の熱中症の特徴とリスク】

 

<犬の熱中症リスクと注意点>

犬は熱中症になりやすい動物です。特にフレンチブルドッグやパグ、ボクサー、シーズーなどの短頭種は、鼻が短いために呼吸がしづらく、体温を下げるためのパンティング(ハアハアと息をする)が効果的に行えません。

 

さらに、長時間の運動や暑い時間帯の散歩や、閉め切った車内に放置されてしまうと、熱中症のリスクが一気に高まります。愛犬を守るためには、日中の暑い時間帯を避けて、早朝や夕方に散歩をするなど、日常生活の中での工夫が大切です。

 

<猫の熱中症リスクと注意点>

猫は犬に比べて熱中症になるリスクは低いと言われていますが、それでも油断は禁物です。

特にペルシャやメインクーンなどの長毛種は、毛が厚いために体温がこもりやすく、熱中症になりやすいです。

 

また、猫は犬と比べて屋内で過ごすことが多いため、室内の温度管理が非常に重要です。エアコンや扇風機を利用して、室内を涼しく保つよう心がけましょう。

 

<特に注意が必要な犬種・猫種>

特に注意が必要な犬種と猫種には、先に挙げた短頭種や長毛種の他にも、以下のような特徴を持つ犬や猫が含まれます。

 

肥満:体脂肪が多いと体温が上がりやすく、熱を放散しづらくなります。

高齢:若い動物に比べて体温調節機能が低下しているため、熱中症のリスクが高まります。

持病がある:心臓病や呼吸器疾患を持つ動物は体温調節が難しいため、特に注意が必要です。

 

これらの特徴を持つ犬や猫を飼っている飼い主様は、特に暑さ対策を徹底することが重要です。

 

【熱中症の初期症状と進行度】

 

<軽度の症状>

愛犬や愛猫が熱中症にかかり始めると、まず以下のような軽度の症状が現れます。

 

パンティング(ハアハアと息が荒い)

多量のよだれ

落ち着きのなさ

飲水量の増加

 

こうした症状が見られたら、すぐに涼しい場所に移動し、水を与えて様子を見守りましょう。早めの対応が熱中症の進行を防ぐための重要なポイントです。

 

<重度の症状>

熱中症が進行すると、症状はさらに深刻になり、命に関わることもあります。重度の症状には、次のようなものがあります。

 

ぐったりとして動かない:極端な疲労感や無気力が見られることがあります。

吐き気や嘔吐:体温が異常に高くなると、消化器系にも影響が出てきます。

舌や歯茎の色が紫色に変わる:酸素供給が不足し、舌や歯茎の色が変わることがあります。

痙攣や震え:体温が非常に高くなると、神経系に影響が及び、痙攣や震えが見られることがあります。

意識の混濁や失神:最も危険な状態で、意識を失ったり、反応が鈍くなったりすることがあります。

 

重度の症状が見られた場合は、一刻も早く涼しい場所へ移動し、緊急の処置を行う必要があります。また、すぐに動物病院に連絡し、獣医師の指示を仰ぐことが不可欠です。

 

【熱中症を引き起こす環境要因と予防対策】

 

<高温多湿な天候と室内環境>

高温多湿な環境は、犬や猫にとって非常に危険です。特に風通しが悪い部屋や直射日光が当たる場所では、温度が上がりやすくなります。湿度が高いと体からの熱が放散されにくく、体温が下がりにくくなります。

梅雨時期や夏の真っ盛りには、こまめに気温と湿度をチェックし、室内の環境を適切に管理することが大切です。

 

■予防対策

エアコンや除湿機、扇風機やサーキュレーターを活用して、快適な室温と湿度を保ちましょう。

例えば、室温を25〜28℃以下に保ち、湿度を50%以下にすることで、愛犬や愛猫が過ごしやすい環境を作ることができます。また、カーテンやブラインドを使用して日差しを遮り、涼しい床材や冷却マットを用意することも効果的です。

 

<直射日光と地面からの反射熱>

直射日光にさらされることで、体温は急激に上がります。また、アスファルトやコンクリートの地面は太陽の熱を反射して非常に高温になり、足裏が火傷するリスクもあります。

 

■予防対策

散歩の際は直射日光を避け、早朝や夕方の涼しい時間帯に行うようにしましょう。また、日陰を選んで歩くことや、愛犬の足を保護するための靴を使用することも効果的です。地面の温度を手で確認し、暑すぎる場合は散歩を控えることも重要です。

 

<閉め切った車内の危険>

車内は短時間でも急激に温度が上がるため、絶対に犬や猫を放置してはいけません。エアコンをつけていても、エンジンが停止した際に温度が急上昇することがあります。特に夏場は、わずか数分で車内の温度が危険なレベルに達することがあります。

 

■予防対策

一緒に外出する場合は、短時間でも車内に残さないようにし、常に一緒に行動することを心がけましょう。

 

<その他の予防策>

犬や猫の熱中症を予防するためには、まず水分補給が重要です。常に新鮮な水を提供し、複数の場所に水皿を置くことで、いつでも飲める環境を整えましょう。

クールマットや冷却ベストなど、冷却効果のあるグッズを活用することも効果的です。

 

また、被毛が厚い犬や猫は定期的にブラッシングすることで、余分な毛を取り除き、体温を下げやすくします。

 

【緊急時の対応】

熱中症の兆候が見られた場合、まずは涼しい場所に移動させることが最優先です。エアコンの効いた部屋や日陰に連れていき、水で濡らしたタオルを首や脇の下、腹部に当てて体を冷やしましょう。

 

次に、水分を補給することが重要です。少しずつ水を飲ませるようにしますが、一度に大量の水を与えると嘔吐することがあるため注意が必要です。

 

応急処置を行った後は、速やかに動物病院に連絡し、獣医師の指示を仰ぎましょう。熱中症は命に関わる緊急事態ですので、迅速な対応が求められます。動物病院に到着するまでの間も体を冷やし続けることが大切です。

 

【熱中症後のケアについて】

熱中症から回復した後もしばらくは体調管理が必要です。獣医師の指導に従い、十分な水分補給と休息を取り、体力が回復するまで無理をさせないようにしましょう。また、再発防止のために、日常的な暑さ対策を徹底することが重要です。

 

【まとめ】

熱中症は、愛犬や愛猫にとって非常に危険な状態です。しかし、飼い主様が適切な予防策を講じ、早期に対応することで、そのリスクを大幅に減らすことができます。

 

ご紹介したポイントを参考に、暑い季節でも安心して愛犬や愛猫と楽しく過ごせるよう心掛けましょう。

もしも熱中症の疑いがある場合は、迷わず獣医師に相談し、迅速に対応することが大切です。

 

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