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犬や猫の眼科手術後は何をすればいい?|自宅ケアで気をつけたいポイント2025.04.29

愛犬や愛猫が眼科手術を受けたあと、手術そのもの以上に大切なのが術後の適切なケアです。
順調な回復のためには、傷口の管理や目の保護、落ち着いた環境づくりが欠かせません。

犬や猫に行われる代表的な眼科手術には、白内障の手術、緑内障の手術角膜潰瘍の修復手術、眼瞼(まぶた)の手術などがあります。
犬では白内障の手術が比較的多く、猫では外傷や感染に対する外科的な処置が行われるケースがよく見られます。

こうした手術の後に適切なケアが行われないと、合併症や感染症のリスクが高まり、せっかくの治療効果が十分に得られなくなってしまう可能性もあります。

今回は、犬や猫の眼科手術後にご家庭で行っていただきたいケアのポイントを解説します。

 

■目次
1.犬と猫の眼科手術後に見られる一般的な症状
2.眼科手術後のお薬の正しい使い方
3.エリザベスカラーの必要性と正しい装着方法
4.眼科手術後の環境整備と生活管理
5.まとめ

 

【犬と猫の眼科手術後に見られる一般的な症状】

眼科手術のあと、愛犬や愛猫にはさまざまな症状が現れることがあります。
手術の影響で一時的に目が赤くなったり、涙の量が増えたりするのはよくある術後の反応ですが、そこから異常かどうかを見極めることが大切です。

<正常な回復過程>
以下のような症状は、手術後の一時的な変化としてよく見られます。

・目の軽い充血
・一時的な目やにや涙の増加
・まぶしそうに目を細めるしぐさ

これらは、通常数日から1週間ほどで自然におさまってくることが多い症状です。
ただし、犬と猫では術後の反応に違いがあり、とくに猫は痛みや不快感を表に出しにくい傾向があります

 

<獣医師に相談すべき症状>
以下のような症状が見られる場合は、感染や合併症の可能性も考えられるため、早めに動物病院へご相談ください。

・目の腫れがどんどんひどくなる
・黄緑色の目やにが出ている(細菌感染のサイン)
・頻繁に目をこすろうとする、前足で触れようとする
・食欲がなく、元気がない状態が続いている

 

【眼科手術後のお薬の正しい使い方】

眼科手術のあとは、処方されたお薬を正しく使うことが、回復を順調に進めるための大切なポイントになります。

<よく処方されるお薬>
点眼薬(抗生物質・抗炎症薬・人工涙液など)
内服薬(抗生剤・消炎鎮痛剤など)

特に点眼薬は、炎症を抑えたり、感染を防いだりする役割があり、術後の目の状態を保つためにとても重要です。

 

<点眼薬の正しい使い方>
初めての点眼で戸惑う飼い主様も多いと思いますが、以下の手順で行うとスムーズです。

1.まずは手をしっかり洗って清潔にし、そのあと愛犬・愛猫をやさしく落ち着かせてあげてください。

2.片手でやさしく頭を支え、もう一方の手でまぶたをそっと開きます。

3.容器の先端が目やまつげに触れないよう注意しながら、1滴だけ点眼します。

4.点眼後は目を閉じさせ、まぶたの上から軽く押さえて薬をなじませましょう。

点眼の回数や期間は、獣医師の指示に必ず従ってください

点眼後に目をこする仕草が見られることがありますが、一時的な違和感であれば様子を見て大丈夫なこともあります。
ただし、仕草が強く続く場合や、目が赤くなる・腫れるなどの異変があれば、薬の副作用の可能性もあるため早めにご相談ください。

 

【エリザベスカラーの必要性と正しい装着方法】

眼科手術のあと、愛犬・愛猫が目をこすったり、前足で触れてしまうと、傷口の悪化や感染の原因になる可能性があります。
こうしたトラブルを防ぐために、エリザベスカラーの装着はとても重要です。
ただ、「かわいそう」「嫌がるから外してあげたい」と感じてしまう飼い主様も多くいらっしゃいます。ですが、しっかりとした理由があって必要なケアであることを理解しておきましょう。

<エリザベスカラーが必要な理由>
・目の傷口を保護し、舐めたりこすったりすることを防ぐ
・細菌が入るリスクを減らし、感染を予防する
・術後の回復をサポートし、治りを早める

 

<エリザベスカラー装着時に気をつけたいこと>
・食事やお水をとりやすいように、食器の高さを調整する
・トイレに行きやすいように、動きやすい環境を整える
・慣れないうちは不安になりやすいため、やさしく声をかけて安心させてあげる

エリザベスカラーは、少なくとも獣医師の指示がある期間は外さず、装着を続けることが大切です。
最初は戸惑う様子があっても、少しずつ慣れていく犬や猫がほとんどです。愛犬・愛猫の様子を見守りながら、快適に過ごせる工夫を取り入れていきましょう。

 

【眼科手術後の環境整備と生活管理】

手術後の回復をスムーズに進めるためには、生活環境を整えることもとても大切です。
できるだけ目に負担がかからず、落ち着いて過ごせるような空間づくりを心がけましょう。

・動きすぎを防ぐために、ケージやサークルを活用する
・階段や段差のある場所は避ける
・ほこりや毛が舞いにくい、清潔な空間を保つ

また、術後しばらくの間は他の動物との接触を避け、静かに休める環境を整えてあげることが大切です。あわせて、シャンプーやトリミングといった刺激のあるケアは、しばらく控えていただくようお願いいたします。

 

【まとめ】

犬や猫の眼科手術後のケアは、飼い主様のサポートが何よりも大切です。
点眼薬の正しい使い方やエリザベスカラーの装着、そして生活環境の整備をしっかりと行うことで、術後の回復をスムーズに進めることができます。

また、犬と猫では術後の反応に違いがあるため、それぞれの特徴を理解しながら、日々の様子を丁寧に観察してあげることが大切です。
もし「いつもと違うかも?」と感じた場合には、自己判断せず、早めに獣医師へご相談ください。

 

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