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犬のまぶたにできる腫瘍(眼瞼腫瘍)の多くは良性で、その中でも最も多いのが皮脂を分泌するマイボーム腺の腫瘍です。
良性の腫瘍であっても、そのサイズや成長の仕方によっては、視力に影響を与えたり、快適な日常生活を妨げたりすることがあります。また、すべての眼瞼腫瘍が良性であるとは限らず、悪性の可能性もあります。
今回は犬の眼瞼腫瘍について、症状や治療方法、予防方法などを詳しく解説します。
■目次
1.眼瞼腫瘍の症状
2.原因
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ
眼瞼腫瘍はまぶたにできものが現れる病気で、犬で最も多い腫瘍です。
腫瘍の形状は腫瘍の種類によって異なり、小さなイボのようなものができることもあれば、まぶた全体が膨れて見えることもあります。特に大きくなると、まぶたが正常に閉じられないこともあります。
マイボーム腺腫は、主にまぶたの縁に形成されますが、腫瘍によってはまぶたの裏側や表面に現れることもあります。
犬には瞬膜という特有のまぶたが目頭にあり、この部分に腫瘍が発生すると、チェリーアイに似た赤い膨らみが見られることがあります。
腫瘍の成長速度は、一般的に悪性腫瘍の方が良性腫瘍よりも早い傾向にありますが、これは腫瘍の種類や犬の健康状態によって異なります。
また、腫瘍自体が目を刺激することや、まぶたの形状の変化によって、まつ毛が目に触れることでさらなる刺激や症状を引き起こすことがあります。
犬が腫瘍を気にして引っ掻くことで目に傷がついて角膜潰瘍や角膜炎、結膜炎を引き起こすことがあります。その結果、目の充血や、しょぼしょぼする症状が見られることがあります。
眼瞼腫瘍のはっきりとした原因はわかっていませんが、他の腫瘍と同様に、加齢により発生しやすくなる傾向があります。
なお、犬の眼瞼腫瘍の中で最も多いマイボーム腺腫も、加齢とともに腺が詰まりやすくなることで発生しやすくなると考えられています。
視診で腫瘍の大きさ、位置、形などを確認したうえで、目の炎症や外傷がないかも注意深く見ていきます。
腫瘤の種類を判断するためには、細胞診や組織生検が必要です。
細胞診では、腫瘤の細胞を採取して顕微鏡で確認し、組織生検では、腫瘤の組織の一部を採取し、詳細に調べます。
一般的な治療の第一選択は、全身麻酔をかけて外科手術で腫瘍を切除することです。この手術では、腫瘍をメスで切除する方法や、レーザーを用いて焼く方法があります。
手術では腫瘍の完全な除去と再発を防ぐために、腫瘍の表面だけでなくその周囲の組織も広範囲に切除することがあります。
良性の場合は手術で切除すれば予後は良好です。適切に腫瘍が除去されれば、その後の健康に大きな影響を及ぼすことは少ないとされています。
眼瞼腫瘍の多くは良性ですが約20%は悪性であり、放置すると根が深くなり切除が難しくなることや、転移するリスクがあるため、腫瘍が小さいうちに切除することが推奨されます。
普段から愛犬の目の状態をよく確認し、何か異常が見られた場合は速やかに獣医師に相談してください。
また、眼瞼腫瘍は特に高齢の犬に多く見られます。外科手術について不安を感じる飼い主様もいらっしゃるかもしれませんが、悪性の場合や、良性でも目に悪影響を及ぼす可能性があるため、治療は重要です。
獣医師とよく相談し、できる限り安全でストレスのない治療計画を一緒に考えましょう。
犬のまぶたにできる眼瞼腫瘍は多くが良性ですが、一部は悪性で早期治療が重要です。普段から愛犬の目の周りを観察し、異常があれば早めに獣医師に相談してください。
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