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「最近、愛犬の元気がないかも…」「なんだかおしっこの量が増えた気がする…」と感じたことはありませんか?もしかすると、これらは腎臓の問題が原因かもしれません。
腎臓病は気づかないうちに進行してしまう厄介な病気です。そのまま放っておくと、愛犬の生活の質を大きく損ない、時には命に関わることもあります。大切な愛犬の健康を守るためには早めの対策がとても重要です。
今回は、腎臓がどんな大切な役割を果たしているのか、腎臓病にはどんな種類があるのか、そしてその予防法について、わかりやすく解説します。
■目次
1.犬の腎臓の役割とは?健康を支える大切な器官
2.腎臓病の種類と症状
3.定期的な健康診断の重要性
4.腎臓病の治療について
5.ご自宅でできるケア
6.まとめ
腎臓は健康を保つために欠かせない大切な器官で、体の中に溜まった老廃物や余分な水分を尿として排出し、体内の毒素を取り除く役割を担っています。
そのおかげで、水分や電解質のバランスが保たれ、健康な状態が維持されているのです。
また、腎臓は血圧を調整したり、赤血球の生成をサポートするホルモンを分泌したりするなど、体のいろいろな働きを支えています。
ただ、腎臓がうまく機能しなくなると体に老廃物が溜まってしまい、体調にさまざまな変化が現れることがあります。
しかし、腎臓のトラブルは初期の段階では気づきにくく、気づいた時には症状が進行していることも少なくありません。だからこそ、定期的に健康チェックを受けることがとても大切です。
腎臓病には、大きく分けて急性腎障害と慢性腎臓病の2種類があります。それぞれの特徴や原因について詳しくご説明します。
<急性腎障害>
急性腎障害は、短い期間で急激に腎臓の機能が低下してしまう状態です。
原因としては、中毒(例えば、ぶどうやタマネギ、不凍液の誤飲など)、薬の副作用、感染症などが挙げられます。
急性腎障害の主な症状は次のようなものです。
・突然の食欲不振
・嘔吐や下痢
・体重減少
・尿の量が急に増えたり減ったりする
これらの症状が見られたら、すぐに動物病院に連れて行くことが大切です。早めに適切な治療を受ければ、急性腎障害は回復できる可能性が高いです。
<慢性腎臓病>
慢性腎臓病は、長い期間にわたって少しずつ腎臓の機能が低下していく病気です。
加齢や遺伝的要因、糖尿病や高血圧などの基礎疾患が関わることが多いです。慢性腎臓病は腎臓の機能がかなり低下してから症状が現れるため、早期に気づくことが難しい病気です。
以下のような症状が現れた場合、慢性腎臓病の可能性を疑いましょう。
・水をたくさん飲むようになり、尿の量が増える
・食欲不振
・体重減少
・嘔吐や下痢
・被毛の艶がなくなる
これらの症状は他の病気でも見られることがあるため、特に高齢の犬は定期的な腎臓の検査を受けることが重要です。
慢性腎臓病で失われた腎臓の機能を回復させるのは難しいため、進行を遅らせることが治療の中心となります。皮下点滴などで脱水を防ぎながら、少しでも腎臓病の進行を抑えることが大切です。
腎臓病を早期に発見するためには、定期的な健康診断がとても重要です。腎臓病は初期の段階ではほとんど症状が現れないことが多く、気づかないうちに進行してしまうことがあります。
そのため、早めに検査を受けて腎臓の機能低下を確認し、症状が現れる前に治療を始めることが、腎臓病対策の大きなポイントになります。
当院では、犬の年齢や犬種に応じた適切な検査をご提案しており、主に行う検査は血液検査と尿検査です。
血液検査では、腎臓の働きを示すBUN(血中尿素窒素)やクレアチニンの数値を確認します。尿検査では、尿の濃縮具合やタンパク質の漏出などを調べて、腎臓の状態を評価します。
さらに、最近では腎臓病の早期発見に役立つ新しい指標としてSDMAが注目されています。
このSDMAを使うことで、従来の検査では見逃しがちな初期の腎臓ダメージを発見しやすくなり、早期治療につながる可能性が高まっています。
もし愛犬が腎臓病と診断された場合、治療の目的は病気の進行をできるだけ遅らせ、愛犬が快適な生活を送れるようにサポートすることです。
主な治療方法は以下の通りです。
<食事療法>
腎臓に負担をかけないよう、低リンや低ナトリウムなどの食事を取り入れ、腎臓の働きを助ける食事療法を行います。
<薬物療法>
血圧を下げる薬や、腎臓への負担を軽減する薬を使用して、腎臓の機能を保つためのサポートをします。
<皮下点滴>
急性腎障害や脱水症状が進んでいる場合には、皮下点滴を行い、体内の老廃物を排出しやすくすることで、腎臓の負担を軽減します。
腎臓病と診断されても、適切な治療やケアを行うことで、愛犬の生活の質をしっかり維持することが可能です。
当院では、愛犬の状況に応じた最適な治療プランを獣医師がご提案いたしますので、安心してご相談ください。
腎臓病を抱えている犬のケアでは、毎日の家庭での取り組みがとても大切です。以下のポイントを意識して、愛犬の腎臓に負担をかけない生活習慣を心がけましょう。
・適切な食事管理
腎臓に優しい食事が必要です。動物病院で販売されている腎臓ケア用のフードや、獣医師と相談して決めた食事を与えることをおすすめします。
食事には、低リン・低ナトリウム、そして良質なタンパク質が含まれていることが重要です。
また、愛犬の体重や症状に合わせたカロリー摂取も心がけましょう。
・水分摂取を促す
水分補給は腎臓病のケアにおいて非常に重要です。いつでも新鮮な水を用意し、こまめに水分を取れるようにしてあげましょう。もし水をあまり飲まない場合は、獣医師と相談しながら、ウェットフードを使って水分を補うのも効果的です。
・体調のモニタリング
日常的に愛犬の尿の状態や排尿回数をチェックして、異常がないか確認しましょう。体調に変化があれば、すぐに獣医師に相談することが大切です。
また、体重が減る、食欲が落ちる、疲れやすくなった場合も、腎臓病の進行を早く見つけるための重要なサインとなります。
・ストレスを避ける
愛犬がリラックスできる生活環境を整え、できるだけストレスを避けるように心がけましょう。無理のない範囲での散歩など、適度な運動も健康維持には欠かせません。
腎臓病は早期に発見し、適切なケアを行うことで、愛犬の生活の質をしっかりと保つことができます。
日々のケアがとても重要で、特に食事管理や水分補給、そして体調の観察が大切なポイントです。また、定期的な健康診断を受けることで、腎臓の状態をしっかりとチェックし、腎臓病の進行を早めに発見できる可能性が高まります。
もし不安や疑問があれば、いつでも当院のスタッフにご相談ください。
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