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愛犬の目の下にできる茶色いシミ、いわゆる「涙やけ」。この症状を目にしたことがある飼い主様もいらっしゃるでしょう。
涙やけは見た目の問題だけではなく、実は犬の健康状態を示すサインとなることもあります。
この茶色いシミが、何か重大な病気の兆候なのか、それともケア不足によるものなのか、判断が難しいと感じることもあるかもしれません。
涙やけが気になるけれど、どのように対処すべきか悩んでいる飼い主様も多いのではないでしょうか。
今回は、涙やけの原因、自宅でできる対策、さらに動物病院での治療法について詳しくご紹介します。
涙やけにお悩みの飼い主様が、安心してケアに取り組めるようにサポートいたしますので、ぜひ参考にしてみてください。
■目次
1.涙やけとは?症状と特徴
2.涙やけが起こる原因とは?
3.涙やけを放置するリスクとは?
4.自宅でできる涙やけケアやお手入れ方法
5.治療方法
6.涙やけを予防するためのポイント
7.まとめ
涙やけとは、犬の目の下に茶色っぽいシミや汚れが見られる状態を指します。
涙が過剰に分泌され、目の周りの毛が濡れた状態が続くことで、涙に含まれる成分が酸化し、シミや汚れを作るのが原因です。
特に小型犬や短頭種(フレンチブルドッグやパグなど)に多く見られる症状で、目の下に茶色や赤みがかった跡が目立ちます。
犬の涙やけの主な原因として、以下のような要因が考えられます。
・解剖学的な要因
短頭種の犬(例:フレンチブルドッグやパグなど)は顔の構造上、目と鼻が近く、涙を流す管(涙管)が狭いことがあります。そのため涙がスムーズに流れず、目の周りにたまってしまい、涙やけが起こりやすくなります。
・アレルギー
食物アレルギーや環境によるアレルギーが原因で目に炎症が起こり、結果として涙の分泌が増加し、涙やけが生じることがあります。
・感染症
細菌感染や目の炎症が引き金となって、涙やけが悪化する場合もあります。
・涙管閉塞
涙管が詰まってしまうと正常に涙を排出できず、涙が溢れやすくなり、涙やけが目立つようになります。
涙やけをそのままにしておくと見た目の問題だけでなく、皮膚炎や感染症といった別のトラブルにつながることがあります。
特に涙が常に流れて湿った状態が続くと、目の周りの皮膚に炎症が起きやすくなります。これによりかゆみや赤みが出て、犬がその部分を頻繁に掻くことで症状がさらに悪化する恐れもあります。
また、涙が酸化して毛に染み込むと、目の周りに嫌な臭いがつくこともあります。
涙やけのケアは、ご自宅でのお手入れがとても大切です。
まず、目の周りを常に清潔に保つことが基本です。柔らかいガーゼやタオルを水で軽く湿らせて、目やにや涙を優しく拭き取りましょう。
もし涙やけが目立つ場合には、犬専用の涙やけ用洗浄液を使用することで、より効果的にケアできます。
また、目の周りの毛が長いと涙を吸収しやすくなり、涙やけが悪化することがあります。定期的にトリミングを行い、目の周りの毛を整えることも重要です。
涙やけの治療は、まず目の炎症やトラブルの原因を見つけ、それを取り除くことが大切です。
例えば、結膜や角膜に異物が入っている場合は、まずその異物を取り除くことが最優先です。もし結膜炎や角膜潰瘍がある場合は、それぞれの症状に適した治療を行い、根本的な原因を解消していきます。
それでも症状が改善しない場合、手術が選択肢となることもあります。例えば、鼻涙管が詰まっている場合には、麻酔をかけて詰まりを取り除く手術を行うことがあります。
また、まぶたに問題がある場合は、修正手術によって症状の改善が期待できるでしょう。
愛犬の涙やけを防ぐには、日常のケアや生活習慣の見直しが欠かせません。
以下のポイントを意識して、涙やけの予防に取り組みましょう。
・食事の見直し
まず、食事管理はとても大切です。アレルギーの原因となる成分を含まないドッグフードを選ぶことで、アレルギー反応や体内の炎症を抑えることができるかもしれません。
特に、無添加で良質なタンパク質を多く含むフードを選ぶことで、体全体の健康が向上し、結果として目元の健康維持にもつながることが期待できます。
・アレルギー対策
アレルギーが涙やけの原因になることもありますので、環境や食べ物の対策も重要です。
もしアレルギーが疑われる場合は獣医師と相談し、アレルギー検査を受けてみましょう。必要に応じて食事や環境を見直すことで、症状の改善が期待できます。
・家の清潔さを保つ
家の中を常に清潔に保つことも、涙やけ予防には欠かせません。定期的に掃除を行い、ダニや花粉などの環境アレルゲンを減らすように心がけましょう。空気清浄機の使用や、こまめに換気をすることも効果的です。
・目元のお手入れ
毎日の目元ケアも重要な習慣です。柔らかいガーゼやタオルで目の周りを優しく拭いてあげることで清潔に保つことができます。
涙が長時間残ってしまうと、酸化してシミになりやすいため、こまめにお手入れすることが涙やけ予防につながります。
涙やけは見た目だけでなく、愛犬の健康にも影響を与えることがあります。ただし、日常のケアや動物病院での適切な対応によって、症状の改善が期待できます。早めに対策を取り、こまめにケアを続けることで、愛犬の目元を健康に保ちましょう。
もし目の周りに異常が見られた場合は、早めに動物病院に相談して、必要な治療を受けることが大切です。
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