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犬や猫の目を守るために|眼の病気を防ぐ日常ケアと早期発見のポイント2025.07.17

視力に異常が出てしまうと、日常生活に支障が出るだけでなく、転倒や食欲の低下といった全身への影響につながることもあります。

ところが、眼の病気は初期のうちは症状がわかりにくく、気づかないまま進行してしまうケースも少なくありません。
だからこそ、早めの発見と、日頃からの予防ケアがとても重要になります。

今回は、犬や猫の眼のケア・健康維持を目的とした日常的なチェックポイントや、自宅で実践できるケア方法、そして定期的な健康診断の重要性について解説します。

■目次
1.犬と猫の目の特徴と気をつけたいポイント
2.日常的に確認したい目の状態と異常のサイン
3.定期的な健康診断の重要性
4.加齢や犬種・猫種によるリスクにも注意
5.まとめ

 

【犬と猫の目の特徴と気をつけたいポイント】

犬や猫の目は、一見すると人間の目と似ているように見えますが、実は構造や働きに違いがあり、それぞれに特有の特徴と弱点があります。

犬や猫の目は、暗い場所でも物がよく見えるように進化しています。
特に猫は夜行性の動物で、わずかな光でも獲物を見つけられるよう、「タペタム層(反射板)」と呼ばれる構造を持っています。
このタペタム層が光を反射することで、夜に目がキラリと光って見えるのです。

一方で、色の識別能力近くのものを見る力は、人よりも劣っているといわれています。
さらに、目が乾燥しやすかったり、ホコリや異物によって傷つきやすかったりと、炎症を起こしやすいデリケートな器官でもあります。

 

<犬によく見られる目の病気>
・乾性角結膜炎(ドライアイ)
・角膜潰瘍
・白内障
・緑内障
・進行性網膜萎縮(遺伝性の視覚障害)

 

<猫によく見られる目の病気>
・結膜炎(特にウイルス性)
・角膜炎
・ぶどう膜炎

犬も猫も、目の病気は進行するまで症状が目立たないことが多く、気づいたときには重症化しているケースも少なくありません。

 

【日常的に確認したい目の状態と異常のサイン】

愛犬・愛猫の目の健康を守るには、毎日のちょっとした観察が何より大切です
以下のような変化が見られた場合は、目に異常が起きている可能性があります。

✅ 白目が充血している
✅ 黒目(角膜)が曇っている、または白っぽく濁ってきた
✅ 目やにの量や色がいつもと違う
✅ 涙が止まらず流れている
✅ 目を開けづらそうにしている、まばたきが増えている
✅ 前足で目をこする、触られるのを嫌がる
✅ 左右の目の大きさや動きに差がある
✅ まぶたの腫れ、目のまわりのしこりなどが見られる

これらのサインは、見た目の小さな変化でも、すでに痛みや不快感がある状態かもしれません。
「少し気になるけど元気そうだから」と様子を見てしまうと、症状が悪化してしまうこともあります。
日頃から観察することで異変に気づきやすくなりますので、違和感があれば早めに動物病院で診てもらいましょう。

 

【定期的な健康診断の重要性】

目の異常は、初期の段階では見た目にわかりにくく、気づかないまま進行してしまうことも少なくありません。
だからこそ、日頃のケアに加えて、動物病院での定期的な健康診断(特に眼科的なチェック)がとても大切です。

通常、1年に1回の健康診断をおすすめしていますが、7歳以上のシニア期に入った犬や猫、去に目の病気を経験したことがある場合には、半年に1回程度の検診を推奨しています。
眼科の検診では、次のような検査を行います。

視力のチェック
眼圧の測定(緑内障などの早期発見に役立ちます)
涙の分泌量の測定(ドライアイの確認)
眼底検査(網膜や視神経の状態を確認)
細隙灯顕微鏡検査(スリットランプ検査とも言われ、細い光を眼に当てて角膜・水晶体・硝子体などを拡大して細部まで確認)

これらの検査によって、症状が現れる前のごく初期の異常にも気づくことができます。

 

【加齢や犬種・猫種によるリスクにも注意】

高齢の犬や猫では、白内障や緑内障といった加齢に伴う眼の病気も増えてきます
また、犬種や猫種によっては、遺伝的に眼の病気にかかりやすい傾向があることもわかっています。

 

<目の病気に注意したい犬種>
パグ、シーズー、ペキニーズ:目が大きく突出しており、傷つきやすい傾向があります
チワワ、ヨークシャー・テリア:角膜や涙のトラブルが起こりやすいとされています
アメリカン・コッカー・スパニエル:白内障や緑内障のリスクが比較的高いとされています
ダックス、シュナウザー:網膜変性症

 

<目の病気に注意したい猫種>
ペルシャ、ヒマラヤン、エキゾチック・ショートヘア:遺伝性の眼疾患が多く報告されています
アビシニアン:進行性網膜萎縮症など、視力に影響する疾患に注意が必要です

このような犬種・猫種では、若いうちからの予防ケアと定期的な眼科検診を習慣づけることで、目の健康を長く守ることができます。

 

【まとめ】

犬や猫の目の健康を守るためには、日々の観察・丁寧なケア・そして獣医師による定期的なチェックの3つがとても大切です。

また、犬種や猫種によっては遺伝的に目の病気のリスクが高い場合もありますが、日常のケアや診察を意識することで発症を防ぎ、進行を遅らせることができる病気もあります。

愛犬・愛猫の「小さなサイン」を見逃さないためにも、ぜひ今日から、目の健康チェックとケアを日常の習慣に取り入れてみてください。
もし気になることがあれば、どうぞお気軽に当院までご相談ください。

 

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