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愛犬や愛猫の目やにが急に増えたら?|考えられる原因とすぐできる対策【獣医師監修】2024.12.05

愛犬や愛猫の目に、いつもより多くの目やにが見られると、不安に感じることもありますよね。健康状態を教えてくれる大切なサインであり、時には見えないトラブルが潜んでいることもあります。

犬や猫の目はとてもデリケートで、目の状態は日々の生活にも大きく影響します。だからこそ、目やにが増えていることに気づいたら早めにケアすることが大切です。

今回は、目やにが増える原因や対処法について、わかりやすくご紹介いたします。

■目次
1.目やにが増える原因とは?
2.目やにの色や性状でわかること
3.注意が必要な目やにのサイン
4.おうちでできる目やにのお手入れ方法
5.予防のためにできること
6.まとめ

 

【目やにが増える原因とは?】

犬や猫の目やにが増える原因はさまざまです。原因によって対処法も異なるため、それぞれのケースを理解することが大切です。

・アレルギー
目やにが増える原因として代表的なのがアレルギーです。犬や猫も人間と同じようにアレルギーを発症することがあり、花粉や埃、ハウスダストなどが影響することがあります。
目がかゆくて前足で顔を擦る場合や、目がしょぼしょぼした状態で目やにが増えている場合、アレルギーが原因の可能性があります。

 

・結膜炎
結膜炎とは、目の表面を覆う薄い膜(結膜)が炎症を起こした状態です。犬や猫にもよく見られる病気で、ウイルスや細菌感染が主な原因です。また、それ以外の要因でも結膜炎になることがあります。

結膜炎になると、目が赤くなり、目やにが増えて涙目になることが多くあります。特にウイルスが原因の場合は他の動物にも伝染する恐れがあるため、早めの対応が必要です。

 

・涙道の詰まり
涙は目から鼻に向かって流れる涙道を通って排出されますが、この通り道が詰まると涙が目に溜まり、目やにが増えやすくなります。特に、鼻が短い短頭種の犬や猫に多い症状です。

目の周りがいつも湿っているような場合は、涙道が詰まっている可能性があります。

 

・外部からの刺激
風の強い日や埃っぽい場所での外出、小さなゴミや毛、草の種などが目に入ると、目が刺激されて涙や目やにが増えることがあります。

また、異物が目に残ると炎症を引き起こし、結膜炎や角膜の傷につながる可能性があるため、注意が必要です。

 

・その他の健康問題
目やにが増える原因として、目の病気が関与している場合もあります。例えばドライアイでは高頻度で目やにが増えることがあります。

 

【目やにの色や性状でわかること】

目やには色や状態によってさまざまな種類があり、それぞれからある程度の原因を見極めることができます。

<透明で水っぽい目やに>
透明でさらさらとした水っぽい目やには、アレルギーや軽度の刺激が原因となっていることが多いです。例えば、風や埃、花粉などの外部からの刺激やアレルゲンが目に入ると、涙や目やにが増えることがあります。

この場合、症状が軽ければ環境を整えるだけで改善することが多いですが、もし症状が繰り返すようであれば一度獣医師に相談してみましょう。

 

<白っぽく粘り気のある目やに>
白っぽい色で粘り気がある目やには、軽い感染症や目の乾燥が原因であることが考えられます。目が乾燥すると目を守ろうと涙が増え、それによって粘り気のある目やにが出ることがあります。

日常的に目をきれいに拭いて様子を見ながら、症状が続くようであれば感染症の可能性もあるため、念のため動物病院で診てもらうとよいでしょう。

 

<黄色や緑色の目やに>
目やにが黄色や緑色をしている場合は、細菌感染や炎症が進行している可能性があります。この色の目やには結膜炎や角膜の感染症が原因となっていることが多く、他の犬や猫にうつるリスクもあるため注意が必要です。

 

<血が混じっている目やに>
目やにに血が混じっている場合は、角膜や結膜に傷がある可能性や、目の中に炎症・外傷があることが考えられます。血の混じった目やには特に注意が必要で、できるだけ早く動物病院で診察を受けましょう。

もし、目をしきりに擦っている様子があれば、角膜に傷がつくおそれがあるため、目に触らせないように気をつけてあげてください。

 

【注意が必要な目やにのサイン】

以下のような症状が見られたときには、早めに動物病院を受診しましょう。

<目やにが急に増えた>
普段は目やにがほとんど出ない犬や猫が急に目やにが増えた場合、何か異変が起きている可能性があります。目やには目の健康状態を反映するため、急な変化を見逃さないようにしましょう。

 

<片方の目だけに異常が見られる>
片方の目だけに目やにが増えたり、充血が見られたりする場合には、外傷や異物、または結膜炎のような局所的な感染や眼内のトラブルが原因となっている可能性があります。

 

<目やにと共に他の症状が現れる>
目やにに加えて以下のような症状が見られる場合には、感染症や内臓疾患の可能性もあるため注意が必要です。

目が赤く充血している
目が開かない
頻繁にまばたきする
食欲が落ちている、元気がない

 

<目を頻繁に擦る>
目に違和感やかゆみを感じると、犬や猫は前足で目を擦るしぐさを見せることがあります。
擦り続けることで角膜に傷がつくリスクもあるため、頻繁に目を擦る場合には動物病院で相談しましょう。

 

<目やにの色が変わる>
透明な目やにが黄色や緑色に変わるなど、目やにの色が変わった場合は細菌感染やウイルス感染が疑われます。

特に黄色や緑色の目やには、症状が悪化する可能性があるため、適切な処置が必要です。
変色が見られたら、早めに動物病院で診てもらいましょう。

 

【おうちでできる目やにのお手入れ方法】

愛犬や愛猫の目やにが気になるときには、まず清潔なコットンや柔らかい布をぬるま湯に浸して、そっと拭き取ってあげましょう

目の周りはとてもデリケートなので、強く擦らず、やさしく押さえるようにして取り除くのがポイントです。もし、目を擦ってしまう様子が見られるときは、エリザベスカラーを装着して目を守りましょう。

また、目薬を使いたいと感じるかもしれませんが、市販の目薬を使用する際にはまず獣医師に相談するようにしましょう。

動物専用の目薬でも症状に合わないと、かえって症状が悪化してしまうことがありますので、獣医師のアドバイスを受けて、愛犬や愛猫に合った目薬を選ぶようにしましょう。

 

【予防のためにできること】

目のトラブルを防ぐためには、日頃からのケアが大切です。以下のポイントを参考に、日常的なケアを取り入れてみてください。

1.目の周りを清潔に保つ
毛の長い犬や猫は目の周りに汚れがつきやすい傾向があります。
顔を優しく拭き取り、長い毛が目に入らないようにカットするなど、定期的にケアをしてあげましょう。目の周りを清潔に保つことは、目やにのトラブルを防ぐうえでも大切です。

2.アレルギー物質の除去
目やにがアレルギーによって発生している場合は、アレルギーの原因物質を減らすことが大切です。空気清浄機の活用や、部屋を定期的に換気して、花粉やハウスダストが溜まりにくい環境を整えましょう。

3.栄養バランスの整った食事
目の健康を保つためにも
栄養バランスの取れた食事は欠かせませんので、高品質でバランスの良いフードを選んで与えるように心がけましょう。

また、ビタミンAを豊富に含む食材は目の健康維持に役立つとされていますので、必要に応じて獣医師に相談しながら、栄養補助食品を取り入れるのもおすすめです。

4.定期的な健康診断
目やには健康状態を示すサインのひとつです。日々のケアに加えて、定期的な健康診断を受けることで異常を早期に発見することができます。
特に高齢の犬や猫については健康診断の頻度を増やすなど、獣医師と相談しながら健康チェックを続けましょう。

 

【まとめ】

犬や猫の目やにが増えるのは、体調や環境の変化を知らせる大切なサインです。早めに気づいて対処することで、目の健康を守る第一歩となります。

もし目やにが気になり始めたら、まずはおうちでのケアをしっかりと行い、状況に応じて獣医師に相談することが大切です。特に、目やにの色や状態が普段と違ったり、目の腫れや痛みがある場合には、早めに動物病院を受診しましょう。

 

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